【2025年度版】年度更新とは?労務未経験の事務員さんにもやさしくわかる完全ガイド|労働保険料の基本から申告・納付・電子申請まで

年度更新ってなに?

年度更新とは、会社が従業員にかけている「労働保険料」を、毎年あらためて計算しなおして払う手続きのことです。

✔️ 労働保険=「労災保険」+「雇用保険」
✔️ 会社が社員を雇っていると、入らないといけない

この保険料は、毎年1回、6月1日〜7月10日までに「前年の実績(確定保険料

)」と「今年の予定(概算保険料)」をまとめて計算して、国に報告&お金を払います。


労働保険ってそもそもなんだっけ?

労働保険とは、働く人を守るための2つの保険のセットです。

  • 労災保険:仕事中にケガをしたときに助けてくれる保険
  • 雇用保険:会社を辞めた後などに失業手当がもらえる保険

これらは会社が払う保険で、社員を1人でも雇ったら、原則入らないといけません。

パートやアルバイトでも、週20時間以上の労働だと加入対象になります。


なんで毎年6月ごろに書類が届くの?

会社が払う労働保険料は、1年分を「ざっくり予測」で先に払っておいて、あとから「本当の金額」で計算し直す必要があります。

この手続きをするのが「年度更新」。
だいたい毎年6月初旬~中旬に、封筒が届きます。

💡 書類が届かない場合は、会社の住所の管轄の労働局に確認しましょう。


青い封筒と緑の封筒のちがい

封筒の色には意味があります!

封筒の色保険の種類よくあるケース
緑の封筒労災+雇用保険一般的な事業所(事務所含む)
青の封筒雇用保険のみ労災を別団体で処理している

たとえば、「労災保険は別の団体にまとめて払っている」といった場合は、雇用保険だけを会社が払うことになります。
そのとき届くのが青い封筒です。


封筒はいつどこから届く?

書類は、事業所(会社)の住所を管轄する「労働局」から、毎年6月ごろに届きます。

  • 差出人:〇〇労働局(会社の地域名)
  • 封筒の色:前述のとおり、青 or 緑
  • 届く時期:5月下旬〜6月中旬(地域によって誤差があります)

もし届かなければ、電子申請を利用する方法もあります(後述)。


建設業なのに青い封筒だった…それってなに?

「建設業=労災保険がある=緑の封筒」と思いがちですが、実は労災の計算を他でやっている場合、青の封筒が来ることもあります。

📌たとえば…

  • 職人さんは現場側で労災に加入
  • 事務員だけの拠点=雇用保険だけ扱う

こういうパターン、実はよくあります!


「雇用保険だけ」のケースもある

以下のようなパターンで、雇用保険のみの年度更新になる場合があります。

  • 労災は別の団体(組合)で一括加入している
  • 支店・営業所などで、労災の対象者がいない(事務職だけなど)
  • 請負元が労災を管理していて、会社では雇用保険しか計算しない

💡 ポイント:「労災を自社で計算するかどうか」で、封筒の色もやる作業も変わります!

雇用保険だけの場合「一般拠出金」の計算もしなくて大丈夫です。
私も担当先に1件だけ青封筒のところがあって、何これ?ってなりました。

初めての年度更新では、「雇用保険だけ」の意味が分からず、一般拠出金はいるの?いらんの?でさんざん検索して、結局わからず雇用保険と一般拠出金を計算して申告してしまい、後日労働局から電話が来ました。

なので、みなさんは間違えないようにしてくださいね!

不安な時は、管轄の労働局に電話して聞いちゃいましょう!


年度更新って何するの?5ステップでざっくり解説

  1. 昨年の「実際に払った給与額」を集計(3月〜翌年4月:支給日ベース
  2. 今年の見込み給与額をざっくり計算
  3. 「確定保険料」「概算保険料」を計算
  4. 書類に記入して、提出
  5. 保険料を納付する

「実際に払った給与額」の中には何が含まれるの?と思いますよね?

基本給、手当、残業代、交通費等すべて入ります。

社長や役員など、労災保険も雇用保険も加入していない方は計算には入れないので注意してくださいね。


年度更新の対象期間と「支給日ベース」の重要性

年度更新で申告するのは、【前年度(前年4月1日~当年3月31日)】に支払った給与に基づく金額です。

2025年度の年度更新の場合だと、

2024年4月1日~2025年3月31日に支給された給与を計算します。

💡ポイント:給与の「締日」ではなく「支給日」で判断すること!

例えば、3月末締めで4月10日支給の給与は、「4月支給」になるので、翌年の年度更新対象になります。慣れないと混乱しやすいので注意!


概算と確定って?両方払うってほんと?

はい、両方払います!

  • 確定保険料:去年の給与をもとに「正確な金額」に修正して払う
  • 概算保険料:今年1年の見込みで「前払い」する

そのため、年度更新のときは

去年の差額を清算+今年分の前払い

という2つをまとめて処理するんです。


提出のやり方(紙と電子申請)

✅ 提出方法は3つ!

方法提出先備考
郵送管轄の労働基準監督署など締切日までの消印が有効
窓口持参同上平日しか開いてないことが多い
電子申請①e-Gov無料で使える国のサービス
電子申請②労務ソフト自動計算&過去データも楽に管理できる

最近は電子申請の方が主流になってきていますが、はじめての人は紙の提出もわかりやすいです。


書類の書き方(別記事で写真付き予定)

書類の書き方については、別記事で写真つきでわかりやすく解説する予定です!
・労働保険概算・確定保険料申告書
・還付請求書(必要な場合)など

そちらもぜひチェックしてくださいね。


還付請求書って?多く払っていたら戻ってくる!

前年に「概算」で多く払っていた場合、差額が戻ってくることがあります。
そのときに必要なのが還付請求書

※自動で戻ってくるわけではないので、ちゃんと申請が必要です!

こちらも別記事で詳しく解説予定です。


【まとめ】年度更新がわかると、事務の世界がぐっと広がる!

はじめてだと「年度更新ってなに?なにするの?」と不安になるかもしれません。

でも、やることは意外とシンプルです。

  • 昨年の給与額を出す(支給日ベース)
  • 今年の予想額を出す
  • 書類に記入して出す
  • お金を払う(払いすぎていたら戻ってくる)
  •  

これだけ!

初めて見たときは意味不明だと思っていた作業。
でも、これをちゃんと理解してできる事務員さんは、それだけで会社やお客様の信頼を得られます!


このブログでは、こうした事務のお仕事をひとつずつ、やさしくていねいに解説していきます🌿

次回は、「実際の記入例&提出のしかた」について、写真付きで紹介予定です!

意外と知らない、「公式から配布されている虎の巻」についても教えます!

正直この虎の巻があれば、年度更新はなんにも怖くありません。


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