目次
この手続きの概要
労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料は、毎年4月1日〜翌年3月31日の1年間を単位として計算します。年度更新とは、前年度の確定保険料を精算し、新年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。労働者を1人でも雇用している事業主は、毎年この手続きが必要です。
| 事業の種類 | 使用する様式 |
|---|---|
| 継続事業(一般の会社・店舗など) ※ほとんどの事業者はこちら |
確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表 |
| 建設業(現場ごとに保険関係が成立する事業) | 様式第7号(甲)一括有期事業報告書・総括表 |
建設業の方は様式が異なります。この記事は「継続事業用」の手順です。建設関係の方はご注意ください。
必要書類
| 書類名 | 入手方法 | 備考 |
|---|---|---|
| 労働保険概算・確定保険料申告書 | 労働局から郵送で届く | 印字済みの数字をそのまま使う |
| 年度更新支援ツール(Excel) | 主要様式ダウンロードコーナー(労働保険適用・徴収関係主要様式)|厚生労働省 | 継続事業用を選択。計算が自動で行われるため必ず使用する |
| 還付請求書(還付がある場合のみ) | 還付請求書|厚生労働省 | 提出しないと還付されないので注意 |
年度更新支援ツールのダウンロード画面
提出先
| 納付方法 | 申告書の提出先 | 納付先 |
|---|---|---|
| 窓口納付(現金・小切手) | 申告書と納付書を切り取らずに金融機関(銀行・郵便局など)に持参 | 窓口で申告と納付を同時に行う |
| 口座振替 | 労働局または労働基準監督署へ郵送、または電子申告 | 口座から自動引き落とし(納付書は窓口で使用不可のスタンプあり) |
申告書と納付書は絶対に切り取らないこと。金融機関で一体のまま提出します。もし切り取ってしまった場合は、申告書部分を労働局または労働基準監督署に別途郵送しなければなりません。
提出期限
| 期限 | 内容 |
|---|---|
| 毎年7月10日 | 申告と納付を同時に行う。期限を過ぎると追徴金(延滞金)が発生する場合がある |
概算保険料の(14)(イ)が40万円以上の場合は、最大3回に分割して納付できます(第1期:7/10、第2期:10/31、第3期:翌1/31)。40万円未満は1回払いのみです。
集計に必要な情報
集計期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 集計期間 | 令和7年4月支給給与〜令和8年3月支給給与(1年分) |
| 集計の基準日 | 支給日(締日ではない) |
例:3月末締め・4月10日払いの給与は4月分として集計します(締日の3月ではありません)。
労災保険:集計対象者と集計金額
| 区分 | 対象者 | 集計する金額 |
|---|---|---|
| ⑴ 常用労働者 | 正社員・パート・アルバイト全員(役員は除く) | 基本給・手当・交通費を含む総支給額 |
| ⑵ 役員で労働者扱いの人 | 役員報酬とは別に給与を受け取っている役員 | 総支給額-役員報酬の金額 |
| ⑶ 臨時労働者 | 日雇いなど(税額表丙の人) | 基本給・手当・交通費を含む総支給額 |
雇用保険:集計対象者
雇用保険に加入している人のみ、人数と総支給額を別途集計します。
給与ソフトやExcelで全従業員の月別合計が把握できる場合は、合計をどこか1つの月の欄にまとめて入力してもかまいません。
集計例
| 区分 | 人数 | 1年間の総支給合計 |
|---|---|---|
| 常用労働者(労災) | 30人 | 2,000,000円 |
| 役員で労働者扱いの人(労災) | 2人 | 100,000円 |
| 臨時労働者(労災) | 1人 | 6,000円 |
| 雇用保険加入者 | 10人 | 350,000円 |
記入手順(STEP1〜5)
STEP 1|年度更新支援ツール(Excel)をダウンロードする
厚生労働省HPの「主要様式ダウンロードコーナー」から「継続事業用」の支援ツール(Excelファイル)をダウンロードします。
STEP 2|「算定基礎賃金集計表」シートに入力する
Excelを開き、シート「算定基礎賃金集計表」を選択します。月ごとに以下を入力してください。
- 労災加入者(役員以外の全員)の人数と総支給額
- 雇用保険加入者の人数と総支給額
STEP 3|「申告記入イメージ」シートに入力する
シート「申告記入イメージ」を開き、黄色のセル①〜⑧を入力します。
| 番号 | 入力内容 | 備考 |
|---|---|---|
| ①〜⑤ | 届いた申告書に印字されている数字 | 申告書の印字をそのまま転記する |
| ⑥ | 分割回数の選択 | 概算保険料(14)(イ)が40万円以上→最大3回に分割可。40万円未満→1回のみ |
| ⑦ | 還付金の取り扱い | 「概算保険料に充当する」または「全額還付する」を選ぶ。迷う場合は「充当する」を選択 |
| ⑧ | 充当意思の選択 | ⑦で「充当する」を選んだ場合に記入。迷う場合は「3」を選択 |
STEP 4|申告書に転記する
「申告記入イメージ」シートに表示された数字を、紙の申告書にそのまま転記して完成です。
網掛け(グレー)の部分も忘れずに記入してください。
STEP 5|還付請求書を提出する(還付がある場合のみ)
充当後もなお還付が発生する場合は、「還付請求書」を申告書と一緒に提出しないと還付されません。
申告書・納付書の提出方法
申告書は「申告書部分」と「納付書部分」が一体になっています。
| 納付方法 | 手順 |
|---|---|
| 窓口納付 | 申告書と納付書を切り取らずに金融機関(銀行・郵便局)へ持参。窓口で申告と納付を同時に行う |
| 口座振替 | 納付書は使用不可(スタンプあり)。申告書のみ労働局または労働基準監督署へ郵送、または電子申告で提出 |
還付請求書(還付がある場合)
充当しても還付になる金額がある場合は、「還付請求書」を提出しないと還付されません。申告書と同時に提出してください。
| 記入箇所 | 内容 |
|---|---|
| 金融機関欄 | 還付金が振り込まれる通帳の情報(銀行の場合) |
| ゆうちょ欄 | ゆうちょ銀行の口座情報(郵貯の場合) |
| その他の欄 | 申告書を見ながら転記する |
間違えやすいポイント
| よくある間違い | 正しい対応 |
|---|---|
| 集計期間を「締日」で集計してしまう | 基準は「支給日」。例:4月10日払いの給与は4月分として集計する |
| 役員報酬を労災の集計に含めてしまう | 役員報酬は集計対象外。役員でも給与をもらっている人は給与部分のみ集計する |
| 申告書と納付書を切り取ってしまう | 金融機関への持参時は一体のまま提出。切り取った場合は申告書を労働局・監督署に別途郵送が必要 |
| 口座振替なのに納付書を窓口に持参する | 口座振替の事業者の納付書はスタンプが押されており使用不可。申告書は郵送または電子申告で提出する |
| 還付請求書を出し忘れる | 還付が発生しても請求書を提出しなければ還付されない。申告書と一緒に必ず提出する |
| 交通費を集計から除いてしまう | 交通費・通勤手当も総支給額に含める |
| 雇用保険に未加入の人を雇用保険欄に含めてしまう | 雇用保険の集計欄には加入者のみを記入する |
提出前チェックリスト
- 集計期間は令和7年4月〜令和8年3月支給分(支給日基準)で集計した
- 役員報酬を労災の集計から除いた
- 役員で労働者扱いの人は「総支給額-役員報酬」の金額を入力した
- 交通費・通勤手当を総支給額に含めた
- 雇用保険の集計には加入者のみを含めた
- 「申告記入イメージ」シートの黄色セル①〜⑧をすべて入力した
- 申告書の網掛け(グレー)部分も記入した
- 納付方法を確認した(窓口納付 or 口座振替)
- 窓口納付の場合:申告書と納付書を切り取らずに金融機関へ持参する
- 口座振替の場合:申告書を労働局または労働基準監督署へ郵送(または電子申告)する
- 提出期限(7月10日)を確認した
- 還付が発生する場合は還付請求書も申告書と一緒に提出する





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